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TALK ROOM #01

今、聞きたいこと。 環境に良いこと、何ができる? (前編)

〜YARN HOME TALK ROOM Vol.1〜

なぜ、日本の夏はこんなに暑いの?なぜ、雨の災害が増えているの?だれもが、近年の気候変動に対して少なからず疑問を抱いているのではないでしょうか?私たちYARN HOMEもおなじです。ただ、自然を脅威として捉えるのではなく、自然と親しく、共存できたら良いですよね。私たちは、自然と共存できる持続可能なものづくりをおこないたいと考えています。小さなことからコツコツと、にはなりますが、みんなにとって心地良い方法を思案しながら行動しています。

 

2019年には、ふきんとハンカチのパッケージに使用していたビニール袋をやめて、手触りの良いトレーシングペーパーの素材に刷新し、オリジナルの柄を描いたものにしました。ちょっとした贈りものとしても、過剰包装をせずそのまま渡してもらえたらといいな思っています。今はものづくりの裁断時に出るハギレの小布、織物工場にある残布などをさまざまな形で活用し、捨てずに循環できる方法を模索し、Another YARN HOME という取り組みを開始しました。

 

ふきんとハンカチのオリジナルパッケージ

 

裁断時に出るハギレの部分を活用して作ったおしぼり

 

私たちはメイカーなので、「自然と共存できる持続可能なものづくり」について、日々、試行錯誤していますが、「自然と共存する暮らし」についても追求したいと思っています。きっと、うまく工夫をすれば、環境に配慮した方法を、暮らしに取り入れることができるはず。そこで、妊娠や出産をきっかけに、自然環境にとって良い選択について考えはじめ、実際の暮らしに取り入れているお二人に、コツや方法を教えてもらおうと考えました。TALK ROOMと題して、YARN HOMEのアトリエにお呼びし、お話を伺いました。

 

● メンバー ●

 

  PRディレクター 

寒河江 麻恵さん(以下、あさえさん)

  Roll House for LIFE代表 

見城 佐知子さん(以下、さちさん)

 

―YARN HOME:

今日は、お集まりいただき、ありがとうございます。まずは、自己紹介をお願いします。

 

―さちさん:

普段は、ヨガのインストラクターや子育て支援、エシカルコンシェルジュという肩書きでいろんな活動をしています。おうちでの味噌づくりの講座などを開催する Roll House for LIFE や、日本でのコットン栽培 WA cotton を主宰しています。地球にやさしい暮らしがしたい、と思っています。

 

―YARN HOME:

“地球にやさしい暮らし”、素敵な言葉ですね。

 

―あさえさん:

PRディレクターとして、企業やブランドのPRや企画のお仕事をしています。そのほか、世田谷公園で行われる「世田谷パン祭り」をはじめ、日本の地域産業を応援するような仕事も積極的に取り組んでいます。地域とのつながりを持ちながらお仕事がしたいんです。

 

―YARN HOME:

ありがとうございます。早速ですが、みなさんが、そもそも自然環境にとって良いこと、あるいは地球にやさしいことを暮らしに取り入れよう、と思ったきっかけはありますか?

 

―さちさん:

私のきっかけは、震災なんですよ。3.11。それまでは、「安いものなら何でもいい」「必要なときに必要なものを買えばいい」という考えがありました。でも、原発事故をきっかけに、食べ物の選び方を変えました。当時、10歳と7歳と0歳の子どもがいましたから、口にしてよいものを探すなかで、オーガニックや有機野菜といったジャンルから勉強をはじめました。

 

―あさえさん:

私も興味を持ったきっかけは食べ物です。20代の後半から栄養への興味があって、好きになるとしっかり調べるタイプだったので、いろいろ勉強しましたね。それから子どもを産んで、子どもがアレルギーだったこともあり、「母乳や離乳食には何がいいんだろう?」という疑問を持ちはじめ、どんな食や生活がより良いものなのかをもっと学ぶようになり、衣類もオーガニックコットンに変えたりしましたね。

 

―YARN HOME:

自然環境に配慮したものやことを生活の中に取り入れるには、消費行動の一部を見直す必要があると思っています。「何を買って、どう捨てるのか?」という話です。みなさんはどんな風に、ものを選んでいるのですか?

 

―さちさん:

お気に入りのものに囲まれるって、ほんとうに幸せだと思っていて。キッチンのボウルひとつとっても、「これが使いたい!」ってすりすり頬を寄せたくなるくらいの道具を選ぶ。それはつまり、気に入ったものを、長く大切に使うことだと思っています。

 

 

―あさえさん:

私は、ものを選ぶとき、背景が見えることが大事だと思っていて。食べ物も、使う道具でも、友人から購入することが多いのですが、愛ごともらっているなと思います。だからなるべく、顔が見える人から、直接買いたい。使うときに相手のことを思い出す、そんなものを選んでいますね。

 

―YARN HOME:

なるほど。「長く使える良いものをつくる」という考えは、まさにYARN HOMEのミッションでもあります。1人でも多くの方に選んでもらうためには、「Amazonや楽天に出店する」という選択肢もあると思うのですが、YARN HOMEは人の手から届く温度感のあるお店づくりにこだわりたくて、いまのところECモールには出店していません。こうやって、ものを選ぶ価値基準をお持ちの方の意見を聞くと、励みになります。さて、いま、ESGやSDGsといった言葉をよく耳にします。たまに言葉が一人歩きしている気もします。自然環境に配慮した選択肢や価値基準を養う上で、大事にしていることはありますか?

 

―さちさん:

オーガニック、フェアトレード、エシカル、サスティナブル。いろいろな言葉があって、一部の企業は、「とりあえず流行り言葉をつけておけば消費者は安心する」と思っているふしがあるような気がします。だから、私たち選ぶ側は気をつけないと。私は、企業やブランドの考え方やものづくりの裏側までを、なるべく知るように心がけています。

 

―あさえさん:

環境に優しい取り組みや、社会に優しい取り組みが、義務ではなく、楽しくできるといいですよね。「洗剤は、キッチンとお風呂で別々に用意していたけど、この洗剤なら1個でいい。一石二鳥じゃん!」こんな風に思えたら、楽しくなってきませんか?楽しくなる方法を見つけられるといいですよね。

 

 

―YARN HOME:

自然環境に配慮した暮らしを追求するため、あるいは気候変動の要因である地球温暖化を防ぐために、「自分になにができるか」を考え、行動に移している人が少しずつ増えている気がします。みなさんは、こうした考えに対する賛同者や仲間を増やす、といった活動も行っているのですか?

 

―さちさん:

人の行動を変えるのは難しいです。けれど、自分の行動を見せるなかで、興味をもってもらうきっかけをつくるのは大切だと思っています。ZOOMミーティングの画面に、水筒をチラリと写しこませたりね(笑)。

 

―あさえさん:

そうそう、今、息子が小学校でSDGsについて学んでいるんですよ。子どもの頃からエコやエシカルに対する興味を持って、考えの基礎を学び、下地ができるのはとても良いことだなと思っています。

 

―さちさん:

子どもから大人たちに伝えていく、というのは良いですよね!どんな小さなことでもいいから、子どもも大人も、まずは取り組んでみるべきだと思います。私も、「私が毎日ペットボトルを買わないからって、世界は変わるの?意味あるの?」と思うときもある。でも、私は変わるってすごく信じている!地球に優しいことをしたい、っていう考えが根底にありますから。

 

―YARN HOME:

ありがとうございます。小さなことからはじめていく。本当にそうですね。私たちYARN HOMEもおなじ考えです。では、実際に、地球に優しい取り組みをどんな風に行っていらっしゃるか。続きは、後編でお聞きしたいと思います。後編もお楽しみに。