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MY YARN #03

四季の恵みを感じる、味噌の寒仕込み

 

味噌は日本の伝統的なスーパーフード!

今も昔も、食卓に欠かすことができない伝統的な発酵食品「味噌」。時間をかけてじっくりと発酵させることでうまみが増し、栄養価がアップしていきます。世界からも日本のスーパーフードとして注目されるようになり、健康面だけでなく、美容にも良いと言われています。

やっぱり一番「手前味噌」

「手前味噌」とは、ひと昔前に各家庭で味噌を仕込んでいた時代に生まれた言葉。材料や分量、熟成期間、また人の手が加わることで、仕上がりが変わるのでそれぞれに作り方を工夫し、「おふくろの味」となっていました。ご近所などでおすそ分けをしながら、オリジナリティの主張があったのではないでしょうか。そこから、“謙遜しながら自慢すること” を「手前味噌」と呼ぶ由来になったようですね。

今回は、わたしの「手前味噌」を作ってみました。味噌を作る時期は「寒仕込み」と言って、冬の1月〜3月頃が適していると言われています。気温が低いときからゆっくりと時間をかけて発酵させ、8月の最も暑く湿度が高い時期に一気に発酵を進ませます。四季の恵みを通して、食べ物への慈しみを感じることができますよね。

シンプルな材料ほど、素材にこだわる。

左から乾燥大豆、水に浸した大豆、煮た大豆です。

 

● 用意する材料 ●

大豆500g / 米麹500g / 塩240g (塩分濃度およそ12%)

※味噌の出来上がりはだいたい2kgほどです

 

大豆は「あやこがね」という品種でオーガニックの大豆を使用。甘みが強くて柔らかく、炊きたてを味付けなしでそのまま食べても美味しいです。米麹は金沢大地のオーガニック米でつくった白米糀を使用。米の花と書いて「糀(こうじ)」と読むように、ふんわりと綿毛をまとったような見た目がかわいいです。一粒口に入れるだけで甘い香りが広がります。塩は「奥能登海水塩」を使用。体温に近い温度で製塩されているため、体内に必要なミネラル成分を吸収しやすく、優れたミネラルバランスと、穏やかな味わいから「世界三大ソルト」のお墨付きがあるそうです。それぞれの材料を生で味見してみて、そのままでも十分美味しい、というよりも、味がしっかりしていて素材本来の「うまみ」があるので、発酵し熟成されたらどんな仕上がりになるのか、とっても楽しみです。

 

さて、ここからが本番。人の「手」が作るわたしだけの味に。

①大豆をよく洗う。

大豆の表面は思っている以上に汚れているので、たっぷりのお水でしっかりと洗いましょう。

②大豆をたっぷりのお水に漬ける。

だいたいお豆の3〜4倍量のお水に、一昼夜(18時間以上)漬けます。水を含んでお豆がふっくらと膨らみます。

③大豆を茹でる。

漬けておいた大豆をひたひたの量のお水で茹でます。時間は3〜4時間。だいたい手でつぶれるくらいまで。固さの加減はお好みによって時間を調整してください。

④大豆をつぶす。

茹でた大豆をザルにあげて、熱が冷めないうちにつぶします。ジップロックに入れて手や麺棒でひたすらつぶしていきます。※茹で汁は捨てずにとっておきます。

⑤塩と麹を混ぜる。

麹の袋の中に塩を入れて混ぜるのがらくです。塩の約1割を、最後に使うので別にしてとっておきます。

⑥つぶした大豆と⑤を混ぜる。

つぶした大豆が冷めてから、⑤の混ざった塩と麹を一緒にします。手でしっかりと混ぜていきます。人の手の温度や常在菌でも味が変わると言われています。必要であればとっておいた茹で汁を少し加えてなじませます。

⑦団子状にまるめる。

容器に詰めやすいように手のひらサイズの団子状に丸めていきます。このときに空気を抜くようにしながら丸めましょう。

⑧容器に詰める。

容器はタッパー、瓶、ツボなどを用意。アルコールなどでしっかりと除菌し、空気が入らないようにぎゅうぎゅうに詰めていきます。※空気が入っているとカビの原因になります。

⑨詰め終わり。

詰め終わったら表面を平らにして、⑤でとっておいた塩を表面に満遍なくかけて蓋をし、さらにラップで空気が入らないように覆います。

⑩熟成。

日の当たらない場所で保管。さらに新聞紙などで容器を包んで光を防いでも良いです。半年〜一年間熟成させたら天地返しをし、しっかりと混ぜたら出来上がり。

カビがはえてないか、ときどきチェックしましょう。そして、美味しくなるよう話しかけましょう笑

 

今回のお味噌作りは「roll house for life」さんで教えてもらいました!最後に食べた、大豆の茹で汁をお出汁にしたお味噌汁、味噌を塗った玄米おにぎりもとっても美味しかったです。いま仕込んでも、できあがりは約一年後。欲しいと思ったらすぐに手に入り、早くて簡単で安いものが良いとされる時代。味噌作りを通して、食べものに対するありがたみや楽しみを感じて、自分のからだまでも大切にしたくなる。そんなことを学ぶ時間になったと思います。

 

わたしの「手前味噌」、美味しくなってね。